半導体製造の後工程ではウェハを切り出した後に、それを搬送させるという工程があります。
その時に使う部品にコレットというものがあります。
半導体チップを移動搬送するために欠かせないコレットとは何でしょうか?
この記事では、コレットがどのように機能するかについて詳しく解説します。
コレットの役割を理解することで、半導体製品の生産過程でのコレットの精度の評価がどれだけ大切なのかわかります。
コレットとは何か?
半導体製造工程においてコレットとは、切り出した半導体を移動させるための、小さなノズルです。
コレットホルダーと言われる装置とのアダプターに取り付けて使います。
コレットには先端部が、フラットなもの以外に2辺や4辺に分かれているものや、錐体にざぐったものもあります。
2辺に分かれているものは、二つの辺で挟み込むような感じで、半導体チップを移動させます。
4辺のものは、チップの周辺部だけ接触させを包み込むようにして持ち上げ、移動させます。
消耗品であり、主に交換を前提として製造されているのが特徴です。
半導体が適切なタイミングで、正確な位置に運べなければ、不良品が出来かねません。
その点ではコレットは、半導体製品の製造において非常に重要な役割を果たしています。
コレットの役割とは?
主な役割は、コレットはチップを正確な位置まで運ぶことです。
実際のマシンの搬送スピードは目に見えないくらい早いため搬送中にしっかりと目的地までチップを保持する能力も必要です。
運んでいる半導体チップは、一辺が約0.1mm~と非常に小さく、私たちが良く使っているスマートフォンのIC(集積回路)にも搭載されています。
マシンの動きについては以下動画をご覧ください。
コレットの材質を選択することで、チップにダメージが発生しないように、確実に搬送しましょう。
コレットの種類と特徴
コレットには、様々な種類があります。
一般的に使用されるのは、ゴム製、樹脂製、金属製のコレットです。
金属製のコレットは強度が高く、また、耐久性、耐熱性があり、長期間使用することができます。
また放電加工もできることから、角錐状のザグリなど複雑な形状にも対応します。
一方、プラスチック製・ゴム製のコレットは、ダメージ対策として優れます。
しかし、金属製のコレットに比べると強度が低く、長期間使用することができない場合があります。
オルテのコレットの特徴
オルテで取り扱っているコレットには、ゴム製、樹脂製、金属製があります。
中でもゴム製のコレット(ゴムコレット)は、低粘着性に優れており、チップの搭載ミス、持ち帰りエラーを0%までに下げるといった改善ができるほどの実力を持っています。
コレットの選び方と取り付け方
コレットを選ぶ際には、チップのサイズや形状や用途に合わせた特性をもつ材料を選ぶことが重要です。基本的にはチップサイズに合わせたコレットは1対1の関係となりますが、近いサイズのチップは同じ種類のコレットで共用することが可能です。
まとめ
テンポよく製造を行うために、良質な製品を取り入れることは重要です。
しかしながら、生産に必要な工具やマシーンなどをできる限り低コストで導入したいと誰もが思うものです。
これは利益の最大化を図ることが前提での考え方ですが、低コストでも品質に問題があれば、結果的に良質で、ローコストな生産を持続させることは難しくなります。
このような悩みを抱えた企業の方々から相談を受け、弊社ではコレット導入による幾度の改善を行ってきました。
搬送エラーを限りなくゼロに近づけ、コストカットかつ生産性の向上へつなげていきましょう。