【医療業界も注目】マイクロ流路デバイス(チップ)の3Dプリンター作製技術の進化

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ヘルスケア、生物学、医療など多くの分野で使用されているマイクロ流体デバイスは、環境分析や食品・農業研究などでの利用も増えており、研究者からより早い製造プロセスが求められています。

同時に、流体が注入、排出される複雑な流路を作るために自由度と精度の高さを実現する製造方法も求められるため、
近年では3Dプリンターを用いたマイクロ流体デバイスの製造が期待されています。

ただし、3Dプリンターは複雑な部品を自由に製造することができますが、全ての3Dプリンターが要求される精度と速度で、マイクロ流体デバイスのような微細な部品を製造できるわけではありません。

マイクロ流路デバイスの作製に必要な3Dプリンターの解像度

では、マイクロ流体デバイスを製造するにはどれくらいの解像度の3Dプリンターが必要なのでしょうか?

簡単に言うと、ミクロンレベルの解像度(数10μm)の3Dプリンターが必要です。

ただし、解像度が高ければいいという単純なものではなく、3Dプリンターは「精度=解像度」ではありません。

XY方向の解像度とZ方向の積層厚の他、寸法誤差偏差、材料の硬化収縮率など、様々な要素が完成度に影響します。

3Dプリンターでの造型物の完成度は、
「解像度」、「精度」、「正確さ」
によって決まります。

また、造形スピードも重要です。
一般的に微細の造型を作るために解像度を高くすれば、造形スピードも遅くなります。

マイクロ流体デバイスの作製には、精度が高く、造型スピードも早い光造形方式の3Dプリンターがオススメです。

光造形方式には大きくDLP(Digital Light Processing)とSLA(Stereo Lithography Apparatus)という技術があります。

DLPは造形スピードは早いですが照射面積が広くなるほど解像度が落ち、SLAはDLPに比べ大型の造形ができますが造形に時間を要します。

そこで登場したのが、DLP方式をもとに、より早く精細な造形を可能にするBMFのPµSL技術(Projection Micro Stereolithography)。
最小φ10μmのマイクロ流路と高いアスペクト比を持つマイクロ流体デバイスを高速で造形することが可能です。

BMF社3Dプリンターで製作したマイクロ流路デバイス

細胞培養、医薬品開発、ドラッグデリバリー、毒性解析など、幅広い用途で使用される微小血管デバイス。
さまざまな動物の血管内環境をシミュレートし、細胞の培養や観察などの研究を可能にします。
下の動画はBMFの3Dプリンターで製作した微小血管デバイスです。

Part of week: 超微細マイクロ流路

動画にあるマイクロ流路は、実際の人間の血管形状を模して設計されており、
異なる方向に3次元的な分布が見られます。
このようなデザインは、従来の製造技術や3Dプリンターでは製作が困難でした。

また、緩やかな流路径特性を正確に再現し、この事例の最小流路径は18μmで、実際の血管環境を正確にシミュレートしています。

BMFの光造形3Dプリンターで造形したマイクロデバイスの一例

遺伝子シーケンサー用バルブ

この遺伝子シーケンサーは、医学や生物学的研究のためにDNAの4つの塩基の順番を決定するために使用されます。
このバルブは遺伝子シーケンサーの一部です。

Part of the Week: Valve for Gene Sequencer

プリンタモデル : microArch S140
寸法 : 24.5mm x 28.3mm x 22m
分解能 : 10 µm
公差 : ±0.025mm
最小内部管径 : □0.2mm (四角チャンネル)
特徴 : 一体成形、複雑な内部チャンネル、内部ネジ山

血液冷却用熱交換器

血液を冷やすための熱交換器は、体温を下げるために使用される医療機器です。
多くの医療機器と同様に、熱交換器も小型化が進んでいます。
3Dプリンターで医療用熱交換器を作るのはとても簡単で経済的です。

Heat Exchanger for Blood Cooling

プリンターモデル : microArch S140
寸法 : 30mm x 20mm x 22mm
分解能 : 10 µm
公差 : ±0.025mm
特徴 : 一体成形、熱交換のための複雑な内部チャンネル

3Dプリンター導入をご検討の方へ

本記事で取り上げた事例で使われたすべての3Dプリンターは、オルテコーポレーションで取り扱っています。日本在住の方であればお気軽にこれらの製品をお求めいただけます。

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