ゴムコレット「持ち帰り」低減対策品のご紹介

ゴムコレット
技術解説最先端情報 製品|半導体目的|コスト削減

半導体・電子部品の実装工程では、コレットがワークから離れる際のわずかな張り付きが、部品の「持ち帰り」や位置ずれ、搬送ミス、装置停止の一因となることがあります。とりわけ小型・薄型・軽量ワークでは、微小な付着力でも工程の安定性に影響し得るため、コレットの接触・離脱特性を適切に設計することが重要です。

そこで今回、オルテ製のゴムコレット標準品と持ち帰り対策品について、ガラス面から引き離す際の張り付き力(張り付き力=ガラス面から引き離す際に必要な力)を同一条件で比較しました。評価の結果、持ち帰り対策品はガラス面に張り付きにくく、引き離すのに必要な力が、標準品に比べて平均94.2%減少しました。これは標準品を1とした場合に1/17の力でガラス面から剥がれるという大きな違いを表しています。

改善品は、安定搬送や設備稼働率の向上への寄与が期待されます。

評価結果のポイント

  • 標準品の平均張り付き力:0.397 N(約40.5 gf)
  • 持ち帰り対策品の平均張り付き力:0.023 N(約2.3 gf)
  • 平均値ベースの低減率:94.2%(標準品に対する平均張り付き力の低減率)
  • 平均張り付き力は、標準品の約1/17
  • 5回測定の範囲も、標準品の0.280~0.502 Nに対し、対策品は0.019~0.027 Nに抑制

なぜ「張り付き力」の低減が重要なのか

ゴムコレットは、ワークを傷つけにくく、接触追従性にも優れる一方、材質・表面状態・押し付け荷重・接触時間などによっては、離脱時に付着力が発生します。この付着力が吸着解除後も残ると、ワークがコレット側に追従し、正常に置かれない「持ち帰り」が発生する可能性があります。

持ち帰りは、単なる1回の搬送不良にとどまりません。再トライによるタクトタイムの増加、位置補正、設備停止、ワークの欠損・重複供給など、後工程へ連鎖するリスクがあります。したがって、吸着保持力だけでなく、確実に離せることもコレット選定の重要な評価軸です。

比較試験の概要

オートグラフ AG-Xplus 1 kN
オートグラフ AG-Xplus 1 kN(株式会社島津製作所)
項目条件 / 内容
測定器オートグラフ AG-Xplus 1 kN(株式会社島津製作所)※記載の製品名は各社の商標または登録商標です。
測定日2026年3月
試料標準品:通常品(1個)
対策品:オルテ製の標準品 持ち帰り対策品(1個)
相手材ガラス板(表面状態:通常清掃品)
測定環境温度:23 ± 2℃ / 湿度:50 ± 10% RH
測定方法コレットを両面テープで取り付け、固定したサンプル品のガラス上面へ押し付けた後、引き離す際の張り付き力を測定
押し付け荷重20 N
引張速度50 mm/min
測定回数各5回

試験方法

本試験では真空吸引を行わず、コレットをガラス面に20 Nの荷重で押し付けた後、50 mm/minの速度で引き離しました。その際に必要な力を「張り付き力」として測定し、標準品と持ち帰り対策品を同じ条件で各5回比較しました。

測定データ

試料1回目2回目3回目4回目5回目平均
標準品(N)0.4210.4140.2800.3700.5020.397
持ち帰り対策品(N)0.0190.0270.0230.0220.0250.023

オルテ製ゴムコレットの張り付き力比較(通常品/持ち帰り対策品)

標準品では0.28N~0.5N の張り付き力が確認されたのに対し、対策品は0.019N~0.027Nと低減され、繰り返し5回の測定を通じて安定して低い値を示しています。

この結果から、持ち帰り対策品はガラス面からの離脱時の付着が大幅に小さいことが分かりました。微小・軽量ワークのピック&プレース、ダイボンディング、検査・選別工程など、離脱の安定性が歩留まりやタクトに関わる用途での活用が考えられます。

導入検討時に確認したいポイント

実際の張り付き力は、ワーク材質や表面粗さ、洗浄状態、コレット形状、押し付け荷重、吸着圧、接触時間、温湿度などによって変化します。導入時には、次の条件を実機に近づけて評価することが重要です。

  • 対象ワークの材質・表面処理・サイズ・質量
  • コレット先端形状と接触面積
  • 押し付け荷重、吸着圧、保持時間
  • 搬送速度と離脱動作
  • 使用温度、湿度
  • 連続使用による摩耗・汚染の影響

オルテでは、対象ワークや設備条件に応じたコレット選定をご相談いただけます。持ち帰り、張り付き、搬送ミスなどでお困りの際は、ぜひお問い合わせください。

製品情報・お問い合わせ

※本記事の数値は、記載した条件下で取得した評価結果であり、保証値ではありません。実際の性能は、使用環境・対象ワーク・装置条件などにより異なります。

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