解像度というとディスプレイ画面の鮮明度、走査線の密度や画面を構成する画素数を真っ先に思い浮かべる人が多いでしょう。
では3Dプリンターにおける解像度とはいったい何でしょうか?
3Dプリンターとは簡単に言うと、XY平面とZ軸の最小フィーチャーサイズ(加工寸法)が小さい部品を積層造形できる機械です。
また、フィーチャサイズは最小パーツサイズと同じではなく、造形できる正確さと精度は、解像度とは異なります。
解像度の高い3Dプリンターが必要な場合は、いくつかの点に注意する必要があります。
解像度は精度や正確さではない
解像度や精度、正確さは同じ意味で使用されることもありますが、3Dプリンターにおける解像度は、精度や正確さとは異なります。
ダーツゲームを例に説明すると、正確さとはダーツの的(ブルズアイ)の中心に近いことです。
精度とは毎回同じ位置に命中すること、つまり再現性です。
下の図のように、精度と正確さは4つのケースが考えられます。
いずれもターゲットの的を射ることができていますが、高い正確さと高い精度がある場合のみ勝利します。
しかし、正確さも精度も解像度とは異なり、解像度とはプレイヤーが確認できる着地したダーツ間の最小距離です。
「解像度」・・・造形処理の細かさ、積層ピッチが細かさ。
「正確さ」・・・狙い値に近く、キレイな表面加工。
「精度」・・・小さい加工公差。
3Dプリンターの解像度
3Dプリンターの解像度は、XY平面の解像度とZ軸方向の積層ピッチの細かさに分かれます。
機種ごとのスペック表などでXY平面の解像度のみを見ると、まるでプロジェクターなどのピクセルサイズと3Dプリントされたパーツのレジンの比が同じであるかのように感じます。
しかし、プリントする素材やプロセス、ソフトウェアなど多数の条件を考慮しない数字だけで、造形の質を判断することはできません。
また、積層ピッチも一般的に小さい方が滑らかになるとされていますが、積層ピッチが小さい方が、表面が滑らかになるとは限りません。
業務用3Dプリンターのアウトプットの質を左右する要素は無数にあるのです。
高解像度3Dプリンターで重要なこと
高解像度3Dプリンターは相対的に小さく、最小のフィーチャーサイズを造形できる能力が重要です。また、3D造形技術の違いも考慮する必要があります。
3Dプリンターの造形技術における解像度
溶融積層造形法(FDM)
熱で溶かした樹脂を押し出し機の細いノズルから出力させながら一層ずつ重ねて造形していきます。
押し出し機から出力した単一の層が最小の解像度です。
ステレオリソグラフィー(SLA)
UV光を液体樹脂にレーザー状に照射しながら硬化させる光造形方式で、UV光のビームのスポットサイズが最小の解像度です。
投影型光造形法(PμSL)
SLA(光造形法)の改良技術でUV光のフラッシュで液体樹脂の層全体を急速に光重合させ、高解像度を実現します。
業務用3Dプリンターを評価する方法
現在、3Dプリンター業界が顧客に分かりやすく説明できる、標準化された評価基準を持っていません。
スペックの低いPCが異なるメーカーのスペックの高いPCに処理速度で勝つことがあるように、スペックのみが全てではありません。
実際の評価は実際に動かしてみないと分からない部分も多く、アウトプットがハードウェア、オペレーティングシステム、アプリケーションなど様々な要素に左右されるということを理解しておくことが大切です。
具体的には下記ご確認ください。
・企業に話を聞く
・サンプルパーツを確認
・ベンチマークモデルを依頼する
・デザインガイドを探す
三菱重工やキヤノン、ヒロセ電機、東京大学、早稲田大学といった国内導入実績も多く、キャステムと同じく受託造形サービスを展開、気になる方はまずはベンチマーク造形の相談&お見積もりを依頼して、その精度を確認してみて下さい。
オルテコーポレーション超微細造形3Dプリントサービス