3Dプリンターのネジ穴精度向上方法とは?

3dプリンター ネジ穴 精度
技術解説業界|電子製品|3Dプリンター目的|コスト削減

近年、製造業において3Dプリンターの利用が急速に広まっています。特にアディティブ・マニュファクチャリング(AM)としても知られるこの技術は、従来の製造プロセスとは異なるアプローチで部品や製品を製造する革新的な方法です。しかしながら現状、金属3Dプリンターの特性上、従来の加工方法が安く済んだり、大量生産はできなかったりとデメリットの側面のほうが強く、特殊な造形物を作製する場合を除いて、日本では発展途上の技術です。

しかしながら、接合が不要のため、一体型の部品が一回の出力で造形できる点には、目を見張るものがあります。

そんな利点と欠点を視野に入れて、導き出される答えが脱金属という考え方です。

そもそも造形に金属を使うまでもなく、ある程度の強度があれば問題はないという場合においては、比較的高精度で安価な素材を使うケースが見られるようになってきています。

従来の医療器具や電子機器のほとんどを構成するのは金属でしたが、それらを樹脂やセラミックに置き換えることで、安く細かく作ることを実現してきました。

今回はアルミ、チタン、鉄、ステンレスなどの金属がよく利用されているねじを、3Dプリンターで実現する方法について取り上げていきたいと思います。

3Dプリンターの寸法精度を決める要素3選

3Dプリント品の寸法精度は、以下の3つの要素に影響されます。

3Dプリンター毎の加工原理と機械の解像度

3Dプリンターの種類によって加工原理が異なり、その加工原理に応じた解像度が決まります。例えば、材料吐出法であれば、1個のパーツを一定の積層厚さで作るため、Z方向の解像度は積層厚さでほぼ決まります。また、3Dプリンターの位置決め精度が高い方が寸法精度には良いとされます。

設計形状と材料

3Dプリント品の寸法精度は、設計形状や使用する材料によっても影響されます。例えば、積層厚さが大きい場合、細かな形状が表現できず、寸法精度が低下します。また、材料によって硬化収縮率が異なり、どの材料を使うか、またこれらをプリンター側でどう補正するかによっても寸法精度が異なります。さらに、肉厚や形状、サポートの付き方によっても収縮量と向きが変わり、3Dプリンター機械精度よりこの変位の方が一般に大きいと言われています。

加工条件

3Dプリント品の寸法精度は、プリンターの庫内温度や造形後の冷却条件によっても影響されます。また、プリンター側で収縮補正率をXYZそれぞれで変更したり、3次元データ形状をXYZ異なる率で拡大収縮したりすることで、寸法誤差範囲を小さくすることができます。

以上のように、3Dプリント品の寸法精度は様々な要素に影響されます。工学的、科学的に各要素を見れば全く理解できない話ではありません。しかし、プリンター機械精度よりも設計や条件設計が寸法精度を決めると言われています。寸法精度は、使う人、使い道によって求めることや良い悪いが変わってきますし、プリンター装置としての平均寸法の精度が悪かったとしても形状や条件を変えれば良くなったり、見方によっては実用的です。

3Dプリント品の寸法精度を決める3つの要素を理解することは、3Dプリント品を作る上で非常に重要です。3Dプリンターの種類や解像度、設計形状と材料、加工条件を考慮することで、より正確な寸法の3Dプリント品が作れるようになります。

また、3Dプリント品の寸法精度は、使用目的によって異なります。例えば、工業製品の場合は非常に高い精度が求められますが、趣味や工作の場合はそれほど高精度である必要がない場合もあります。使用目的に応じた寸法精度を求めることが、3Dプリント品を作る上で重要なポイントの一つです。

3Dプリント技術は今後も進化し続けることが予想されます。3Dプリント品の寸法精度に影響を与える因子を理解し、より高精度な3Dプリント品を作り出すことが求められます。

3Dプリンターで非金属のねじを作る

ねじの3Dプリントに興味はあるけれど、金属は使いたくないですか?このガイドでは、さまざまな3Dプリント技術を使って非金属のねじを3Dプリントするプロセスを説明します。

正しい3Dプリント技術の選択

非金属ネジを3Dプリントする最初のステップは、適切な3Dプリント技術を選択することです。最も一般的な3Dプリント技術には次のようなものがあります:

  • 溶融積層造形(FDM):この技術は、溶融プラスチックを使用してオブジェクトをレイヤーごとに作成します。3Dプリントのオプションとして人気があり、価格も手頃です。
  • ステレオリソグラフィー(SLA): この技術では、レーザーを使用して液体樹脂を硬化させ、固体のオブジェクトを作成します。細部まで高品質なプリントを作ることで知られています。

また樹脂でもねじの製作は可能であるため、弊社が得意とする高速な精密加工(PμSL)を駆使した造形方法でも対応することが出来ます。

非金属ネジの設計

適切な3Dプリント技術を選択したら、非金属ねじを設計しましょう。CADソフトウェアを使用してデザインを作成するか、オンラインで既製のデザインを見つけることができます。

非金属ねじを設計する際には、使用する材料の機械的特性を考慮することが重要です。プラスチックやナイロン製の非金属ネジは、金属ネジほど強度が高くない場合があるため、それに応じて設計を調整する必要があります。

非金属ネジの印刷

非金属ネジを設計したら、次はそれを印刷する番です。特定の3Dプリント技術の説明書に従い、適切な材料を使用するようにしてください。

非金属ネジをプリントする際は、必要なサポート構造を考慮することが重要です。FDMのような一部の3Dプリント技術では、プリントプロセス中の反りや崩壊を防ぐために、オブジェクトの横にサポート構造をプリントする必要があります。

非金属ネジの仕上げ

非金属ネジが印刷されたら、希望する結果を得るために仕上げ作業が必要になる場合があります。これには、ねじをやすりで磨いたり、塗装したりすることが含まれます。

まとめ

3Dプリンターを使った非金属のネジ作成について、適切な3Dプリント技術を選択し、設計を行い、プリントすることで実現できます。材料や設計形状、加工条件などが寸法精度に影響することがわかると、使用目的に応じた寸法精度が求められます。3Dプリント技術は今後も進化し続けることが予想され、非金属ネジの製造、また規格外のねじのような特殊な製品の製造にも応用されることが期待されています。

切削加工に匹敵する超高精細3Dプリンター

【産業用・研究用】
東大にも導入されている
微細造形3Dプリンターの革新技術

金型では実現できずに諦めていた複雑で微細な造形が可能に!しかも射出成型レベルの仕上がり。研究開発をはじめ、試作品の製作、開発スピードの加速、開発コストの削減に貢献!次世代の3Dプリンター が生み出す精密造形技術とは……?

今すぐ資料請求!

シェアする
フォローする
オルテディア
テキストのコピーはできません。