BMF(Boston micro fabrication)は、多種多様な産業分野において、デザイナーやメーカーのニーズに合わせた超精密3D加工技術や、製品進化への革新的な方法の立案と実現を常に目指しています。
私たちが手にしている電子機器も、2000年代を超えて飛躍的に小型製品の開発が進み、現在では内臓部品は非常に小さいスケールのものばかりです。
電子機器にとどまらず、小型化は医療分野でも顕著です。
電子顕微鏡を使った新しい治療方法の開発や、患者に負荷を与えない新しい治療方法の実現のため、新たな治具の開発も進んでいます。
部品は小さければ小さいほど、切り崩す部分が多くなり、かなり手間やコストがかかるものです。
設計から試作、テストにかかる時間だけを見てもその工数と労力、費用は小さければ小さいほど上昇し、従業員の負担を増すばかりです。
せっかく試作を作り出しても、その部品が最終製品として使えないと判断された場合は、今までの工程はすべてやり直しになってしまうのです。
これは従来のマイクロインジェクション成形でも同様のことが言えます。
そこでBMFはPμSL(ピューソル)技術を開発しました。
これを搭載したことにより、業界最高クラスと評価を受けている3Dプリンターの中から、プリント速度と精密さのバランスが取れた状態でプリントすることを実現しました。
最終製品として申し分ない滑らかな肌触り、数マイクロメートル単位でプリントしていながら、一般的な10mmスケールの3Dプリンターとほぼ変わらない造形スピード。
この両方を採用することによって、より実用的で、待ち時間を少なくしたハイパフォーマンスの3D造形機器を生み出すことに成功したのです。
ものによってはBMFの製品よりも、もっと精密さを要求される製品もありますが、ほとんどそれは稀であり、TPPといったナノスケールのプリントを使うことはあまりありません。
そのため、TPPよりは目の細かさは落ちますが、印刷速度を早くすることにより、ストレスのない製品設計が実現できるというわけです。
これにより、設計してすぐにその不備がないかプリントして確認することができ、費用的にも時間的にも制約がなくなるようになっています。
そんなBMFはS140とともに、新たな機種を開発しました。
その名もmicroArch S240。
S140でも超精密な造形を実現し、世界を圧倒してきていますが、その後継機種となるS240では、いったい何が変わったのでしょうか?
3DプリンターmicroArch S240のの目的
新製品のmicroArch S240ではディテールをこだわり、使用する原型のパーツと比較して、複製品として正確に表現することにフォーカスして設計されています。
これにより、より設計図に近い精度を保ったまま製品を出力することが出来ます。
microArch S240製品設計時の課題と利用結果
マイクロインジェクション成形では、部品の微小化により、コストが高く、時間がかかります。
もし複製の段階で問題が起こった場合は、やり直しが必要となります。このサイクルが繰り返されるとなると、コストは肥大化していくためできるだけ避けたいですよね。
これの打開策が、PμSL技術です。これを駆使したmicroArchS240を使って、設計図に酷似したモデルを短時間かつ低コストで3Dプリントを行うことができます。これはパーツ複製による製造に優れているといえます。
microArch S240の性能および特徴
ビルドボリュームS240は、100×100×75mm/750cm3と従来機種よりも大きくなりました。
高粘度の材料にも対応し、BMFが提供するセラミック材の造形が可能になりました。
新機構導入により、S240はこれまでのパーツ作成技術により印刷速度が最大10倍速いです。
大きいサイズを造形した場合 10分の1の時間で造形が完了します。
BMFが語るmicroArch S240の今後の展望
現在S240は3Dプリントパーツの解像度、精度、正確さにおいて、業界の水準を従来より一層たかめました。3Dプリントの恩恵を受ける産業が進化すれば、これからのニーズも高まるため、技術や生産、材料に継続的に投資を行って、超精密3Dプリント分野におけるグローバルリーダーであり続けたいと語っています。
まとめ
BMFは超精密な3D加工技術を提供しており、これまでに様々な産業分野でその技術を活用してきました。BMFが提供するPμSL技術を搭載したmicroArch S240では、高速かつ高精度な3Dプリントを実現しており、従来のマイクロインジェクション成形では解決できなかったコストや時間の課題を解決することができます。BMFは今後も技術や生産、材料に継続的に投資を行って、超精密3Dプリント分野におけるグローバルリーダーであり続けることを目指しています。