※S350について、現在日本国内での販売を見合わせております。
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2022年ボストン・マイクロファブリケーション(BMF)は、最新作として産業用超精密3DプリンターであるmicroArch S350を発表しました。なんとそれは弊社製品の中では2番目(100×100×50mm)に大きなサイズで造形するもので、25μmの解像度を誇っています。
2μmと比較すると解像度の面では劣るものの、層の厚さは製品の中で最も分厚いという結果になっています。そのため、プリントした製品にひびが入りにくく、非常に強固なパーツが作れるというわけです。また、幅広い最終工程に応用できるように進化しています。
変わらない高品質さと速さ
高い品質のパーツや金具の生産が急遽必要になった場合は、早急に作り出せるほどのスピードと正確さ、精密さを兼ね備えています。microArch S350は、独自のプロジェクション・マイクロ・ステレオ・リソグラフィー(PμSL)をベースとして設計されています。主に、正確さや高い精度が求められる小型部品の生産に向いています。
以前までの製品との違い
自動横方向膜シフトによって、部品の取り出しやロボットアームとの連帯が非常にスムーズになっています。最終部品の製造を自動化し、使いやすさはこれまで以上に向上したといえます。また、樹脂の自動充てん機能、量の調節機能が付いているだけではなく、レーザーの変位を測るセンサーも搭載されていて、より正確に長時間稼働できるようになりました。レイヤー(積層ピッチ)を高速で広げるアドバンストローラーという機能もついています。これにより造形スピードが上がります。
細菌のテストにも強い製品に
エンドパーツに適した、エンジニアリングおよびセラミック樹脂の増加するポートフォリオと互換性を持ち、100℃を超える高温での滅菌テストが可能な部品を作ることが出来るようになりました。これにより、細部まで鮮明な部品を提供することが可能です。また難燃性のUL94-V0高弾性フォトポリマー樹脂を60℃で印刷が可能です。通常UL94-V0は耐熱性が105℃あるため、非常に熱に強く加工が難しいのですが、それを60℃という比較的低温で加工できるようにするのは、このプリンターならではでしょう。
小型化を推進する産業、研究者は増えている
主に、エレクトロニクス、光学/光通信、医療機器、マイクロ流体、ライフサイエンスなどの産業は、小型化を推奨しているところが多数であり、弊社で取り扱う製品を導入しているところもあります。これにより、これまで不可能だった方法でイノベーションが起こすことが出来るようになったというような声が寄せられています。
試作の仕事が得意
microArch S350は、超高解像度・高精度・高精度を必要とする1000~3万個程度の試作・生産に最適なプラットフォームで、研究者やメーカーの方々にご利用いただいています 。
特徴
- カスタマイズ可能な高解像度光学系移動台(分解能:25μm25μmまで対応可能)
- 高解像度と大面積化を両立させるステップ&リピートプロセス
- 高精度な3Dプリントを実現する制御加工技術
- リアルタイム画像モニター、オートフォーカス、露出補正
- microArchグラフィックインターフェイスシステム搭載のオペレーションソフトウェアインターフェースシステム、顧客パラメータ設定に対応
スペック等
項目名/製品名 | S230 | S240 | S350 |
印刷用素材 | 感光性樹脂 | 感光性樹脂、セラミック | 感光性樹脂、セラミック |
xy光学分解能 | 2μm | 10μm | 25μm |
xy位置精度 | ± 2µm | ± 10µm | ± 25µm |
ビルドサイズ | 50×50×50mm | 100×100×75mm | 100×100×50mm |
層の厚さ | 5~20μm | 10~40μm | 10~50μm |
外形寸法 | 1720×750×1820mm | 650×700×790mm | 1350×850×1900mm |
重量 | 660kg | 130kg | 500kg |
電源 | 2000W | 2000W | 2000W |
まとめ
S240に引き続き誕生したS350は、素材としてセラミックを使うことが出来るという特徴を引き継いでいます。ミリ単位以下のプリント誤差であり、製品としての性能上では問題がない範囲となっていて、かつ造形サイズもBMF製品の中では2番目に大きなサイズとなっています。
どうしても造形サイズを大きくすると、ひび割れなどの欠陥が起きやすくなってしまいます。S350は従来の製品の高い精度を受け継ぎ、欠陥が起こりにくく、加工困難な材質にも対応させ、製品上の進化を遂げました。