光造形3Dプリンターというのは、レジン(液体樹脂)を光で硬化させることで立体物を生み出す技術です。この方法は、様々な3D造形方式の中でも非常に滑らかな表面が出力可能で、小型のものを造形するのに向いています。大量生産を除いてはコストパフォーマンスも良いとされています。
0.2mm積層ピッチの実験
光造形3Dプリンターの積層ピッチを0.15mmと0.2mmで試した実験がありました。その結果、0.2mmの積層ピッチでは、積層が目立ち、文字部分の細かい造形がうまく表現できず、文字がつぶれてしまっていました。さらに、文字の下部分には裂け目のような状態になってしまっていました。
積層ピッチと品質
積層ピッチが小さいほど、出力される造形物の表面が滑らかになりますが、プリントにかかる時間が長くなります。一方、積層ピッチが大きいと、プリント時間は短くなりますが、出力品質が低下します。このため、積層ピッチはプリントの品質と時間のトレードオフとなります。
積層ピッチの選択
一般的な3Dプリンターの積層ピッチは0.05mmで、積層跡もほどほどで時間とのバランスが良いとされています。0.1mmも使用可能ではありますが、0.2mmでプリントするのは粗すぎます。
時間はかかりますが、標準は0.05mmでプリントすることが推奨されています。
オルテが代理店を務めるBMF製3Dプリンターの積層ピッチ
BMFは超高精度3Dプリンターのメーカーとして知られています。異なる積層ピッチを持つ数種類のモデルがありますが、いずれも競合メーカーを圧倒する細かさで積層出来る為、より数ミクロン~数十μmの様なミクロンオーダーに応えられる3Dプリンターです。
microArch® S230(スタンダードモデル)は、積層ピッチを5μmから20μmの範囲で設定することができます。
一方、microArch® S240(スタンダードモデル)とmicroArch® S140(高解像度+高コストパフォーマンスモデル)では、積層ピッチが10μmから40μmまで設定可能です。
高精度の積層ピッチを選択すると、造形時間が長くなり、サイズが大きすぎると、より造形完了まで時間がかかったり、造形が失敗しやすくなるというデメリットが存在しますが、これらの積層ピッチの範囲は、光造形3Dプリンターの中でも非常に高精度で、細かい構造の製品を再現するのに適しています。
まとめ
光造形3Dプリンターはその高精度性と表現力から、非常に細かい構造の製品を再現するのに適しています。しかしながら、積層ピッチの選択はプリントの品質と時間のトレードオフとなり、適切な積層ピッチを選択することが重要であることが理解いただけたかと思います。特に、超精密に特化したBMF製3Dプリンターのような高精度モデルでは、積層ピッチの範囲がより微細に設定可能であるため、製品の要求に応じて最適な設定を選択することが可能です。このように、光造形3Dプリンターの適切な利用により、製品の品質と生産効率の両立が可能になるでしょう。